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商品有高帳とは
商品について品目ごとに受入・払出および残高を記録する記録簿であり、補助簿。
⇒在庫管理に関する情報を手に入れることができる。
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商品有高帳の形式
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「日付」欄
取引などの行われた日付を記入する。
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「摘要」欄
取引の内容を記録する。
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「受入高」欄
受け入れた商品の数量・単価・金額を記入する。
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「払出高」欄
払い出した商品の数量・単価・金額を記入する。
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「残高」欄
在庫として保有する賞品の数量・単価・金額を記入する。
※前期繰越 = 期首商品棚卸高
※次期繰越 = 期末商品棚卸高
※受入高合計 - 次期繰越高 = 売上原価
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「日付」欄
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払出単価の計算
商品高を個々の商品ごとに厳密に記録し、商品の払出が行われた際には
払い出した商品1つ1つについて記録された単価を用いて払出高を
算定する方法(個別法)を採用することも考えられる。
しかし、実務的に煩雑であり、払出商品を恣意的に選択することで
利益操作が行われる可能性があるといった
問題点もあることから一般的な商品の単価計算では用いられていない。
そこで、商品の払出について何らかの仮定をおいて払出単価を計算することになる。
払出単価の計算方法は様々であるが、ここでは以下の方法を取り上げる。
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計算方法
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先入先出法
最も古く取得されたものから順次払出が行われ、
期末棚卸商品はより新しく取得したものから
構成されると仮定して払出単価を計算する方法
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平均法
平均法とは、払出高算定のために平均単価を求め、これを払出単価とする方法。
平均法に分類されるのは「総平均法」と移動平均法」の2つがある。-
総平均法
一定期間の取得原価合計を総数量で除すことによって算定した
平均原価を払出単価とする方法
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移動平均法
仕入の都度その時点で平均原価を算定し、それに基づいて払出高を計算する方法。
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総平均法
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先入先出法
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具体的な計算方法
1. 当期首(○1年4月1日)の時点で、前期からの繰越商品が40個ある。この繰越商品の単価は1,000円。 2. ○1年7月1日、商品90個を単価1,130円で仕入れた。 3. ○1年9月30日、商品100個を売り上げた。 4. ○1年12月1日、商品70個を単価990円で仕入れた。 5. ○2年1月30日、商品60個を売り上げた 6. 当期末(○2年3月31日)、決算処理を行う -
先入先出法の場合
先入先出法の商品有高帳 -
9月30日の払出について
内訳は・・・まず古いもの ⇒ 前期繰越商品が40個 ⇒ 残りの60個は7/1の仕入分から払いだされたと仮定 -
1/31の払出について
内訳は・・・まず古いもの ⇒ 前期繰越商品はなくなっているので、7/1仕入分から払いだされたと仮定 ⇒ 残りの300個は12/1の仕入分から払いだされたと仮定 -
ポイント:先入先出法での売上原価の計算
期末の次期繰越商品には、期中の受入や払出の順序に関わらず、
より新しく受け入れたものが優先的に組み込まれることになる。
よって会計期間全体の売上原価を求めるだけであれば、
払出の都度単価計算を行う必要はなく、受入高合計から次期繰越高を
控除すればよい。
売上原価
=受入高合計211,000 - 次期繰越高@990×40個
=171,400
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9月30日の払出について
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総平均法の場合
総平均法では、仕入のたびに平均単価を求めることはせず、
期末になり受入高総額が確定してから一括して平均単価を算定する。
下記のとおり、総平均法を採用する場合、
払出高はすべて総平均単価により算定される。
この総平均単価(@1,055円)は以下の計算により求めることができる。
総平均単価
= 受入高合計211,000 ÷ 受入数量合計200個
= @1,055円
総平均法の商品有高帳
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移動平均法の場合
移動平均法では、仕入のたびに平均単価を計算して、その平均高を払出単価として利用する。
⇒仕入の都度、単価を修正することになり、計算が煩雑になる。
(ここでは、商品有高帳の作成は割愛)
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先入先出法の場合
2012年1月3日火曜日
財務会計「決算整理(2)」
商品有高帳
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