ページ

ラベル 中小企業診断士 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 中小企業診断士 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年1月6日金曜日

財務会計「決算整理(3)」

棚卸資産の評価
  1. 棚卸差損

    会計上は期末の決算整理によって、帳簿上の期末棚卸高(帳簿棚卸高)を減額修正して
    実際の期末棚卸高(実地棚卸高)と一致するように修正する必要がある。
    帳簿上の期末棚卸高と実際の棚卸高との差額を棚卸差損という。

    棚卸差損の発生原因は以下の2つに大別される
    ①棚卸減耗 商品の紛失などによる数量的な目減り
    ②収益性の低下 時価の下落による単価面での目減り


  2. 棚卸減耗

    紛失・盗難・蒸発などの原因によって、生じる棚卸資産の数量的な減少。
    「棚卸減耗費」の科目を用いて費用として処理する。

    棚卸減耗費=@取得原価×(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)


    例1:
    当期の期首商品棚卸高 54,000円

    当期の期末商品棚卸高 帳簿棚卸高 数量300個 単価@200円

    実地棚卸高 数量280個 単価@200円


    決算仕訳例:
    (借) 仕入 54,000
    (貸) 繰越商品 54,000
    (借) 繰越商品 60,000
    (貸) 仕入 60,000
    (借) 棚卸減耗費 4,000
    (貸) 繰越商品 4,000


    2行目:期末帳簿棚卸高=帳簿棚卸数量300個×帳簿単価@200円=60,000円
    ※棚卸差損が存在する場合でも、期末棚卸高を仕入から繰越商品へ振り替えるときには
    必ず帳簿棚卸高を用いる。
    3行目:@200円×(帳簿棚卸数量300個-実地棚卸数量280個)=4,000円
    B/S「商品」・・・56,000円

    なお、棚卸減耗費は以下のようなBOX図を利用して算定することができる。
  3. 収益性の低下

    期末に棚卸資産の時価が取得原価よりも低い場合、時価をもってB/S上の価額とし、
    取得原価と時価との差額は「商品評価損」などの勘定を用いて当期の費用とする。

    商品評価損=(@取得原価-@時価)×実地棚卸数量


    例2:
    当期の期首商品棚卸高 54,000円

    当期の期末商品棚卸高 帳簿棚卸高 数量300個 単価@200円
    i 実地棚卸高 数量300個 単価@210円
    ⅱ 実地棚卸高 数量300個 単価@190円


    1. 取得原価<時価の場合

      期末において時価が取得原価を上回っている場合は、棚卸資産の価額は修正せずに
      取得原価のままで据え置く

      (借) 仕入 54,000
      (貸) 繰越商品 54,000
      (借) 繰越商品 60,000
      (貸) 仕入 60,000

      B/S 商品・・・60,000円

    2. 取得原価>時価の場合

      期末において時価が取得原価を下回っている場合、
      保有する棚卸資産の収益性が低下しているものとして

      (借) 仕入 54,000
      (貸) 繰越商品 54,000
      (借) 繰越商品 60,000
      (貸) 仕入 60,000
      (借) 商品評価損 3,000
      (貸) 繰越商品 3,000


      2行目:期末帳簿棚卸高=帳簿棚卸数量300個×帳簿単価@200円=60,000円
      3行目:(取得原価@200円-時価@190円)×実地棚卸数量300個=3,000円
      B/S「商品」・・・57,000円

      なお、商品評価損は以下のようなBOX図を利用して算定することができる。


    収益性の低下により、棚卸し資産の簿価を切り下げた場合の次期以降の処理
    ⇒切放し法と洗替え法の選択適用
    1. 切放し法

      収益性の低下により切り下げた棚卸資産の価額を次期以降もそのまま
      棚卸し資産の帳簿価額として利用する方法

      各会計期間を切放して考える。
      次期に繰り越される商品の金額=評価切り下げ後の金額(時価)
      仕訳無し

      次期の期首商品原価は57,000円
    2. 洗替え法

      収益性の低下による棚卸資産価額の切り下げ額を翌期首に洗替えることにより、
      再び取得原価に戻す方法。

      (借) 繰越商品 3,000
      (貸) 商品評価損戻入益 3,000


      次期の期首の金額=最初の取得原価
      結局次期には商品の原価=60,000円(最初の取得原価:原始取得原価)

  4. 棚卸減耗と収益性の低下の両方が起きているケース

    例3:
    当期の期首商品棚卸高 54,000円

    当期の期末商品棚卸高 帳簿棚卸高 数量300個 単価@200円
    i 実地棚卸高 数量280個 単価@190円


    決算整理仕訳
    (借) 仕入 54,000
    (貸) 繰越商品 54,000
    (借) 繰越商品 60,000
    (貸) 仕入 60,000
    (借) 棚卸減耗費 4,000
    (貸) 繰越商品 4,000
    (借) 商品評価損 2,800
    (貸) 繰越商品 2,800


    3行目:@200円×(帳簿棚卸数量300個-実地棚卸数量280個)=4,000円
    4行目:(取得原価@200円-時価@190円)×実地棚卸数量280個=2,800円
    ※時価@190円×実地棚卸数量280個=53,200円
    ・B/S「商品」・・・53,200円

    以下のようなBOX図で算出することができる。


  5. 財務諸表上の表示
    1. 貸借対照表上の表示

      貸借対照表上の「商品」の金額は棚卸差損を減額した後の金額、つまり期末実地棚卸高となる。
      算出式は以下のとおり

      B/S「商品」 = 期末帳簿棚卸高-棚卸減耗費-商品評価損

      = @単価×期末実地棚卸数量


      単価には商品の取得原価と時価のうち低いほうが当てはまる。

    2. 損益計算書上の表示

      1. 棚卸減耗費

        原価性がある場合
        「売上原価ないしは製造原価の内訳科目」または「販売費」

        原価性がない場合
        「営業外費用」または「特別損失」

        原価性がある・・・通常の営業活動の中で経常的に発生する、経営者が予見できる。
      2. 商品評価損

        通常:売上原価なしは製造原価の内訳科目
        臨時の事象に起因し、金額的に大きい場合は、「特別損失」に計上する。
      棚卸差損の損益計算書上の表示


    3. 例3について、棚卸減耗費は販売費に表示、
      商品評価損は売上原価の内訳科目とする場合とする場合、
      損益計算書は以下のとおり。売上高250,000円、当期商品仕入高は186,000円とする。

2012年1月3日火曜日

財務会計「決算整理(2)」

商品有高帳
  1. 商品有高帳とは

    商品について品目ごとに受入・払出および残高を記録する記録簿であり、補助簿。
    ⇒在庫管理に関する情報を手に入れることができる。


  2. 商品有高帳の形式

    • 「日付」欄
      取引などの行われた日付を記入する。

    • 「摘要」欄
      取引の内容を記録する。

    • 「受入高」欄
      受け入れた商品の数量・単価・金額を記入する。

    • 「払出高」欄
      払い出した商品の数量・単価・金額を記入する。

    • 「残高」欄
      在庫として保有する賞品の数量・単価・金額を記入する。

    ※払出高に記入される金額は取得原価に基づく金額であり、販売高ではないことに注意。

    ※前期繰越 = 期首商品棚卸高
    ※次期繰越 = 期末商品棚卸高
    ※受入高合計 - 次期繰越高 = 売上原価


  3. 払出単価の計算

    商品高を個々の商品ごとに厳密に記録し、商品の払出が行われた際には
    払い出した商品1つ1つについて記録された単価を用いて払出高を
    算定する方法(個別法)を採用することも考えられる。
    しかし、実務的に煩雑であり、払出商品を恣意的に選択することで
    利益操作が行われる可能性があるといった
    問題点もあることから一般的な商品の単価計算では用いられていない。
    そこで、商品の払出について何らかの仮定をおいて払出単価を計算することになる。
    払出単価の計算方法は様々であるが、ここでは以下の方法を取り上げる。


  4. 計算方法
    1. 先入先出法
      最も古く取得されたものから順次払出が行われ、
      期末棚卸商品はより新しく取得したものから
      構成されると仮定して払出単価を計算する方法

    2. 平均法
      平均法とは、払出高算定のために平均単価を求め、これを払出単価とする方法。
      平均法に分類されるのは「総平均法」と移動平均法」の2つがある。
      1. 総平均法
        一定期間の取得原価合計を総数量で除すことによって算定した
        平均原価を払出単価とする方法

      2. 移動平均法
        仕入の都度その時点で平均原価を算定し、それに基づいて払出高を計算する方法。

  5. 具体的な計算方法

    1. 当期首(○1年4月1日)の時点で、前期からの繰越商品が40個ある。この繰越商品の単価は1,000円。
    2. ○1年7月1日、商品90個を単価1,130円で仕入れた。
    3. ○1年9月30日、商品100個を売り上げた。
    4. ○1年12月1日、商品70個を単価990円で仕入れた。
    5. ○2年1月30日、商品60個を売り上げた
    6. 当期末(○2年3月31日)、決算処理を行う
    1. 先入先出法の場合

      先入先出法の商品有高帳
      • 9月30日の払出について
        内訳は・・・
        まず古いもの ⇒ 前期繰越商品が40個
        ⇒ 残りの60個は7/1の仕入分から払いだされたと仮定
      • 1/31の払出について
        内訳は・・・
        まず古いもの ⇒ 前期繰越商品はなくなっているので、7/1仕入分から払いだされたと仮定
        ⇒ 残りの300個は12/1の仕入分から払いだされたと仮定
      • ポイント:先入先出法での売上原価の計算
        期末の次期繰越商品には、期中の受入や払出の順序に関わらず、
        より新しく受け入れたものが優先的に組み込まれることになる。
        よって会計期間全体の売上原価を求めるだけであれば、
        払出の都度単価計算を行う必要はなく、受入高合計から次期繰越高を
        控除すればよい。

        売上原価
        =受入高合計211,000 - 次期繰越高@990×40個
        =171,400
    2. 総平均法の場合
      総平均法では、仕入のたびに平均単価を求めることはせず、
      期末になり受入高総額が確定してから一括して平均単価を算定する。
      下記のとおり、総平均法を採用する場合、
      払出高はすべて総平均単価により算定される。
      この総平均単価(@1,055円)は以下の計算により求めることができる。

      総平均単価
      = 受入高合計211,000 ÷ 受入数量合計200個
      = @1,055円
      総平均法の商品有高帳

    3. 移動平均法の場合
      移動平均法では、仕入のたびに平均単価を計算して、その平均高を払出単価として利用する。
      ⇒仕入の都度、単価を修正することになり、計算が煩雑になる。
      (ここでは、商品有高帳の作成は割愛)

財務会計「決算整理(1)」

  1. 決算整理とは

    期末の財務諸表作成に先立って、様々な整理・調整が必要になる項目も存在する。
    たとえば、商品売買を営む企業は期末において売上原価を算定する必要がある。
    このような期末に行われる整理・調整を決算整理という。
    また、決算整理により新たに行われる仕訳を決算整理仕訳という。


  2. 売上原価の算定

    1. 仕入原価と売上原価

      • 売上原価:販売した商品にかかった原価
      • 仕入原価:当期に仕入れた商品にかかった原価

      商品売買にかかる利益額算定のためには、決算整理により、
      期末の仕入勘定残高などを整理して、
      期首在庫の原価と仕入原価を当期売上品と期末在庫に分配して
      「売上原価」の金額を算定する必要がある。

    2. 売上原価の算定

      1. 算定式
        売上原価=期首商品棚卸高(期首在庫)+当期商品純仕入高-期末商品棚卸高(期末在庫)
        仕入勘定のイメージ

      2. 3分法による記帳

        仕入勘定、売上勘定、繰越商品(流動資産)勘定の3つ用いることからこのように呼ばれる。

        例:売上原価の算定
        ①当期中、商品を13,000円を掛で仕入れた。
        ②当期中、商品を16,000円で掛販売した
        ③期末なので決算整理。期首商品棚卸高は2,000円、
           期末商品棚卸高は3,000円である。

        ①仕入時
        (借) 仕入 13,000
        (貸) 買掛金 13,000

        ②売上時
        (借) 売掛金 16,000
        (貸) 売上 16,000

        ③決算整理仕訳
        期首時点に保有していた商品を仕入勘定に振り替える。
        (借) 仕入 2,000
        (貸) 繰越商品 2,000

        続いて期末に残っている在庫次期以降に繰り越すため、期末商品棚卸高を仕入勘定から繰越商品勘定に振り替える。
        (借) 繰越商品 3,000
        (貸) 仕入 3,000

        期中取引の結果のみを反映した仕入勘定は以下のとおり。

        決算整理仕訳の結果も勘定に転記すると、
        仕入勘定は以下のように修正される。

        上記のような仕訳を行うことで仕入勘定の中で
        当期の売上原価を算定することができる。
        つまり、決算整理仕訳の結果、仕入勘定の残高は
        当期の売上原価と等しくなる。


        ・商品売買に関する勘定の意味するもの
        決算整理前および決算整理後残高試算表の各勘定が
        何を意味しているのかわからなくてはならない。
        決算整理前、決算整理後残高試算表の各勘定の意味を整理しておく。

        決算整理前残高試算表 決算整理後残高試算表
        仕入勘定 当期商品仕入高 当期売上原価
        繰越商品勘定 期首商品 期末商品
        売上勘定 当期売上高 当期売上高



    3. 損益計算書上の表示形式

      2の売上原価の算定で用いたデータに基づいて、
      商品売買に関する事項の損益計算書における
      表示形式(売上総利益まで)をまとめると以下のようになる。




2012年1月2日月曜日

財務会計「期中取引(5)」

  1. 固定資産の取得

    固定資産とは会社が事業活動のために長期にわたって所持する資産のこと。
    以下の3つに分類される

    1. 有形固定資産
      営業目的で所有するもので、具体的な形があるもの
      例:土地、建物等

    2. 無形固定資産
      営業目的で所有するもので、具体的な形がないもの
      例:特許権、借地権等

    3. 投資その他資産
      営業目的以外で所有するもの
      例:長期貸付金等

    ・会計処理

    固定資産を取得した場合は、取得価格でもって、土地や建物などそれぞれの資産の特徴を現す勘定で処理する。
    取得原価は購入代価に手数料などの付随費用を加え、値引額を控除する。
    取得原価=購入代価+付随費用-値引


    仕訳
    建物を10,000円で購入し、代金は月末後払いにした。購入に伴い発生した手数料500円を現金で支払った。

    (借) 建物 10,500
    (貸) 未払金 10,000





    現金 500

    ※付随費用も建物の金額に含める。
    ※商品仕入以外に係る代金の決済を先延ばしする場合
       支払債務は「未払金」として商品仕入にかかる債務とは区別する。

  2. 資金貸借取引

    1. 貸付金・借入金
      • 貸付金:金銭の貸付をすることで返還請求債権が生じる
      • 借入金:金銭の借り入れにより返済義務が生じる

      ※貸付(借入)の機関の間は利息の受け払いが行われ、決済日になると元本を回収(返済)する。
    2. 会計処理
      貸手側は発生した金銭債権を「貸付金(資産)」勘定を用いて処理する。
      借手側は発生した金銭債務を「借入金(負債)」勘定を用いて処理する。

      資金貸借にかかる利息については、貸手側は受け取った利息を「受取利息(営業外収益)」として処理する。
      借手側は支払った利息を「支払利息(営業外費用)」として処理する。
      元本の返済が行われたときは債権債務を消滅させる処理を行う。

      ・仕訳
      ○○21年1月1日にA社はB社に対して貸付期間2年、利率は年3%、利払は毎年12月31日に行うとの条件で現金10,000円を貸し付けた。

      A社での処理
      1. 貸付時の仕訳(○○21年1月1日)
        (借) 貸付金 10,000
        (貸) 現金 10,000

      2. 利息の受取(○○21年12月31日)
        (借) 現金 400
        (貸) 受取利息 400

      3. 利息の受取と元本の回収(○○22年12月31日)
        (借) 現金 10,400
        (貸) 貸付金 10,000





        受取利息 400

      B社での処理
      1. 借入時の仕訳(○○21年1月1日)
        (借) 現金 10,000
        (貸) 借入金 10,000

      2. 利息の支払(○○21年12月31日)
        (借) 支払利息 400
        (貸) 現金 400

      3. 利息の支払と元本の回収(○○22年12月31日)
        (借) 借入金 10,000
        (貸) 現金 10,400

        支払利息 400





財務会計「期中取引(4)」

手形取引
  1. 手形とは

    債権者と債務者の間で、決まった日に決まった場所で決まった金額の受払いをするために取り交わされる証券
    掛取引と同様信用取引の一種であるが、債権が証券の形になっているため、他者に譲渡することができる。
    手形取引の代金決済は当座預金口座を通じて行われる。

  2. 約束手形

    手形の振出人(支払人)が名宛人(受取人)に対して、決まった日に決まった金額を支払うことを
    約束した証券

    ・会計処理
    手形代金の受取人:受取手形(流動資産)
    手形代金の支払人:支払手形(流動負債)

    ※代金の決済時に、受取手形や支払手形が消滅する。

    1. 手形売上

      (借) 受取手形 2,000
      (貸) 売上 2,000


    2. 決済代金の受取

      (借) 当座預金 2,000
      (貸) 受取手形 2,000




    1. 手形仕入

      (借) 仕入 2,000
      (貸) 支払手形 2,000


    2. 決済代金の支払

      (借) 支払手形 2,000
      (貸) 当座預金 2,000




  3. 裏書手形

    手形の所持者(手形債権者)はその手形を満期日前に譲渡して、現金と同様に
    支払い手段として利用することができる。
    手形を譲渡する手続きとして手形の裏面に譲渡人の指定と譲渡人の記名・押印を行うことから
    この手形の譲渡のことを「手形の裏書譲渡」と呼ぶ

    ・会計処理
    手形の裏書譲渡を行うと、名宛人は手形債権を他者に譲渡することになるので
    「受取手形(資産)の減少」として処理する。
    また、振出人からすると、手形債権者が代わっているだけなので
    自らの債務自体はなくなっていないので、手形の裏書に伴い特段の処理は行わない。

    例:
    B社は仕入先であるC社から商品4,000円を仕入、代金は以前A社から受け取っていた約束手形4,000円を
    裏書譲渡して支払った。
    • A社の処理
      仕訳無し

    • B社の処理

      (借) 仕入 4,000
      (貸) 受取手形 4,000


    • C社の処理

      (借) 受取手形 4,000
      (貸) 仕入 4,000


  4. 割引手形

    手形債権者が早期の代金回収を目的に、銀行などの機関に手形を裏書譲渡して
    資金の融通を受けること。事実上満期日前に手形を現金化してしまうこと。これを「手形の割引」という

    手形の割引が行われた場合、割引日から手形の満期日までの期間は、割引を行った銀行が割引を依頼した会社に対して
    資金を貸し付けていることになる。よって、銀行側は割引を依頼した会社に対して割引日から満期日までの利息(割引料)を
    あらかじめ差し引いた金額を支払う。

    ・会計処理
    銀行などに手形債権が移転する。
    名宛人は「受取手形(資産)の減少」となる。
    また、手形の額面から割引料(「手形売却損」勘定で処理)を差し引いた金額を回収額として計上する。
    振出人は、手形債権者が代わっているだけで自らの債務自体はなくなっていないので会計処理はない。

    例:
    B社は所有しているA社振出約束手形4,000円について銀行で割引を行い、
    割引料20円を際し引かれた手取り金を当座預金とした。
    • A社の処理
      仕訳無し

    • B社の処理

      (借) 当座預金 3,980
      (貸) 受取手形 4,000
      手形売却損仕入 4,000

      ※営業外費用の発生

    • C社の処理

      (借) 受取手形 4,000
      (貸) 仕入 4,000




財務会計「期中取引(3)」

1.現金割引
割引は営業取引ではない

○値引・返品
値引・返品
⇒⇒⇒
営業取引
⇒⇒⇒
仕入や売上を修正

○割引
割引
⇒⇒⇒
営業外取引(財務上の取引)
⇒⇒⇒
仕入割引・売上割引

掛取引において通常の支払期日よりも早く代金決済を行った場合、代金の一部減免を
行うことがある。このことを現金割引という。
掛取引は代金の後払いであり、代金の中に利息が含まれていると解釈する。
代金の決済を期日前に行うと利息が減免されると解釈され、利息については
受取利息・支払利息となり、営業外収益となる。

(1)仕入割引
5,000円の買掛金に対して早期決済を行った。3%の割引を受けて小切手で支払った。
・仕訳
(借) 買掛金 5,000
(貸) 当座預金 4,850





仕入割引 150


(2)売上割引
5,000円の売掛金の早期決済を受けた。3%の割引を受けて小切手で受け取った。
・仕訳
(借) 現金 4,850
(貸) 売掛金 5,000

売上割引 150




2.前渡金・前受金

前受金:現品の引渡しに先立って代金の一部または全部を受け取ること。
前渡金: 現品の引渡しに先立って代金の一部または全部を支払うこと。

(1)前渡金による仕入
将来商品を受け取る権利が生じたと見て、その支払額を前渡金(前払金)として
資産(流動資産)に計上する。

①内金の支払
(借) 前渡金 300
(貸) 当座預金 300

②商品の仕入
(借) 仕入 1,000
(貸) 前渡金 300





買掛金 700


(2)前受金による売上
将来商品を引き渡す義務が生じたと見て、その支払額を前渡金(前払金)として
負債(流動負債)に計上する。

①内金の受取
(借) 現金 300
(貸) 前受金 300

②商品の販売
(借) 前受金 300
(貸) 売上 300

売掛金 700




※前渡金・前受金はいずれ取引の中で消滅していく。


2011年12月13日火曜日

財務会計「期中取引(2)」

商品売買(1)
  1. 一般的な流れ

    仕入先
    仕入1個
    ⇒⇒⇒
    100万円
    当社

    販売1個
    ⇒⇒⇒
    120万円
    得意先

    上記のように、仕入れ値100万円を仕入原価という。
    販売した商品の原価(ここでは仕入れ値の100万円)を売上原価という。
    売上高から売上原価を控除すると利益額となる。

    利益額=売上120万円-売上原価100万円=20万円

    期中取引の中心は商品売買に関わる取引
    (借)仕入 (貸)   現金
       当座預金
       買掛金
       支払手形
    (借)現金
       当座預金
       売掛金
       受取手形
    (貸)売上


  2. 掛取引による売買
    掛取引・・・代金は後払い(信用取引)
    • 売掛金・・・掛で売る。後日代金を受け取れる権利を意味する(流動資産)
    • 買掛金・・・掛で買う。後日代金を支払う義務を意味する(流動負債)

    仕訳例
    1. 仕入先から商品2,000円を掛で仕入れた
      掛仕入により代金の支払義務が生じる。仕入原価は費用として扱う。

      (借) 仕入 2,000  (貸) 買掛金 2,000
    2. 仕入先に買掛金のうち1,400円を小切手で支払った
      債務の履行(買掛金の支払)により、買掛金が減少する。

      (借) 買掛金 1,4000  (貸) 当座預金 1,4000

      1と2をあわせて買掛金勘定を作ると以下のようになる

      支払高
      1,400
      掛仕入
      2,000
      残高
      600
      買掛金勘定:キャッシュフロー計算書で重要。

    3. 商品を2,500円の掛で売り上げた
      掛売上による代金の回収債権が生じる。売上は収益として扱う。

      (借) 売掛金 2,500  (貸) 売上 2,500
    4. 売掛金のうち1,800円を小切手で回収した。
      債券の行使(売掛金の回収)により売掛金が減少する

      (借) 現金 1,800  (貸) 売掛金 1,800

      3と4をあわせて売掛金勘定を作ると以下のようになる。
      掛売上高
      2,500
      回収高
      1,800
      残高
      700
      売掛金勘定:キャッシュフロー計算書で重要
  3. 返品・値引
    1. 返品
      品違いや品質不良などで商品を返送すること。

      会計処理
      商品売買取引が取り消されたことになる。仕入時や売上時の仕訳と貸借が逆の仕訳(反対仕訳)を行う。

      仕訳例
      1. 仕入先から掛で仕入れた商品1,000円を品違いのために返品した。
        仕入戻し
        • 仕入時
          (借) 仕入 1,000  (貸) 買掛金 1,000
           
        • 返品時
          (借) 買掛金 1,000  (貸) 仕入 1,000
      2. 顧客へ1,500円で売り上げた商品が品違いにより返品された。
        売上戻し
      • 売上時
        (借) 売掛金 1,500  (貸) 売上 1,500
         
      • 返品時
        (借) 売上 1,500  (貸) 売掛金 1,500
    2. 値引
      賞品の品不足や品質不足などの理由で、事後的に商品代金の減額を行うこと。

      会計処理
      値引された金額を仕入ないし売上の減額として処理する。

      仕訳例
      1. 仕入先から仕入れた商品1,000円について、品質不良のため100円の値引を受けた
        仕入値引
        • 仕入時
          (借) 仕入 1,000  (貸) 買掛金 1,000
        • 値引時
          (借) 買掛金 100  (貸) 仕入 100

        仕入勘定
        総仕入高仕入戻し高
        仕入値引高
        純仕入高

        損益計算書上の表示
        仕入=総仕入高-(返品・値引額)=純仕入の金額(黄色の部分)
      2. 顧客に1,200円で販売した商品について、品質不良のため200円の値引を行った
        売上値引
        • 売上時
          (借) 売掛金 1,200  (貸) 売上 1,200
        • 値引時
          (借) 売上 200  (貸) 売掛金 200

        売上勘定
        売上戻し高総売上高
        売上値引高
        純売上高

        損益計算書上の表示
        売上高=総売上高-(返品・値引額)=純売上の金額(黄色の部分)

  4. 付随費用(仕入諸掛)
    購入手数料や運送料、保険料、関税など。

    会計処理
    仕入原価(取得原価)=購入代価+仕入諸掛(付随費用)-値引額

    仕訳例
    仕入先から商品1,000円を掛で仕入れた、当該仕入に伴い、引き取り費用として50円を現金で支払った

    (借)仕入1,050    (貸)買掛金1,000
    現金50

    ※仕入の金額に付随費用も含める。


2011年12月12日月曜日

財務会計「期中取引(1)」

期中取引(1)
当座預金
  • 当座預金を引き出す場合、小切手を使用する。
  • 小切手は振出人が支払人(銀行)に対して小切手金額を受取人または所持人に支払うことを委託する証券。
  • 当座預金を引き出すためには、小切手を銀行に提示する。

会計処理
当座預金の預入、引出・・・当座預金勘定(流動資産)

財務諸表上の表示
貸借対照表上・・・当座預金 ⇒ 「現金および預金」として表示する

仕訳例
  1. A社はB銀行と当座取引契約を結び、現金20,000円を預け入れた
    (借) 当座預金 20,000  (貸) 現金 20,000

  2. A社はC社から商品10,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。
    取引相手に自己の当座預金に係る小切手を渡す場合、小切手を振り出した時点で「当座預金の減少」として処理する。

    (借) 仕入 10,000  (貸) 当座預金 10,000
  3. A社はD者に商品を12,000円で売り、代金はD社の小切手を受け取った
    他社振出小切手は通過ではないが、銀行で提示するだけで直ちに換金することができるので、簿記上は現金として取り扱う。

    (借) 現金 12,000  (貸) 売上 12,000

    なお、受け取った他社振出小切手を換金し、直ちに当座預金に預け入れた場合、以下のような仕訳をおこなう。

    (借) 当座預金 12,000  (貸) 売上 12,000




財務・会計(3)

簿記一巡
①取引  
↓   
↓仕訳
↓   
②仕訳帳   
↓   
↓転記
↓   
③総勘定元帳   
↓   
↓集計
↓   
④試算表   
↓   
↓   
↓   
⑤精算表   
↓   
↓   
損益計算書・貸借対照表

①~③は期中取引、④⑤は決算手続き

①仕訳
期中に行った取引の仕訳を行う

②転記
①で行った期中取引に係る仕訳を各勘定に転記する。

③残高の把握
各勘定ごとに残高を把握する。一部の例外を除き、通常は資産・費用は借方、負債・純資産・収益は貸方となる。総勘定元帳の借方と貸方の差額を把握する。

④決算整理
決算日(期末)に財務諸表を作成する場合、期中取引の仕訳に加えて、整理・修正が必要になる項目も存在する。
決算日に帳簿の金額をあるべき数値に修正することが必要になる。
この修正のために行われる仕訳を決算整理仕訳という。

⑤決算整理後残高試算表
決算整理仕訳を受けて、残高試算表にもその影響を反映させる。

⑥財務諸表の作成
⑤で作成した残高試算表に計上されている項目のうち、収益、費用に属する項目をまとめて
損益計算書を作成する。
また、資産・負債・資本に属する項目をまとめて、貸借対照表を作成する。

貸借対照表
資産 負債
純資産 資本金
繰越利益剰余金

損益計算書
費用

収益

利益

損益計算書において、収益合計から費用合計を差し引いて、当期の期間に書くとした利益額を算定し、「当期純損益」として計上する。
当期純利益は、純資産の増加を意味する。そこで、損益計算書で算定された当期純利益は、貸借対照表において純資産に含めて扱う。ただし、利益獲得の元手となった資本金と運用により獲得した利益を区別するため、当期純利益は繰越利益剰余金として表示されることになる。(上の表の黄色の部分)

おまけ
貸借対照表の区分表示
  1. 資産の部
    1. 流動資産
      比較的短期手間のうちに現金化が見込まれる資産など
      例:現金、商品、売掛金
    2. 固定資産
      企業が長期にわたって所有・利用すると見込まれる資産など
      例:土地、建物
  2. 負債の部
    1. 流動負債
      比較的短期間のうちに返済が見込まれる債務など。
      例:買掛金、短期借入金
    2. 固定負債
      返済までの期間が長期にわたる債務など。
      例:長期借入金、社債
損益計算書
①売上高
商品の販売など会社本来の営業によって得られる収益
②売上原価
売り上げた商品に係る仕入原価。製造業の場合、製造活動にかかった原価
売上総利益=①-②
③販売費および一般管理費
売上原価以外で会社の本来の営業活動のためにかかった費用
例:給料、広告宣伝費
営業利益=売上総利益-③
④営業外収益
会社本来の営業活動以外の活動から生じた収益
例:受取利息、有価証券売却益
⑤営業外費用
会社本来の営業活動以外の活動から生じた費用
例:支払利息、有価証券売却損
経常利益=営業利益+④-⑤
⑥特別利益
毎期経常的に発生するものではなく、臨時・例外的に生じた利益
例:固定資産売却益
⑦特別損失
毎期経常的に発生するものではなく、臨時・例外的に生じた損失
例:固定資産売却損、災害損失
税引前当期純利益=経常利益+⑥-⑦
⑧法人税等
当期に獲得した利益の金額に応じて貸される税金の金額。
法人税、住民税および事業税
当期純利益=税引前当期純利益-⑧

2011年11月30日水曜日

財務・会計(2)

  1. 簿記上の取引
    1. 簿記上の取引
      簿記上の取引とは、簿記の5要素(資産・負債・資本・収益・費用)のいずれかが変更する事象のこと。

      1. 簿記上の取引で、世間一般でも取引と呼ばれる事象
            商品を仕入れる
      2. 簿記上の取引ではないが世間一般で菜は取引と呼ばれる事象
            商品売買に関する契約を結ぶ
            ⇒契約の締結だけでは簿記上は取引したとは考えない。
           (5要素に動きがない)
      3. 簿記上の取引ではあるが、世間一般では取引ではない事象。
            火災が発生し備品が焼失した場合、資産が減るので簿記上の取引に該当する。
    2. 簿記上の取引の記録ルール

      取引の発生⇒(仕訳)⇒仕訳帳⇒(転記)⇒総勘定元帳⇒財務諸表の作成へ
      1. 取引が行われる(簿記上の取引の発生)
      2. 仕訳を行う
      3.     ※取引を借方と貸方に記入する。
              借方と貸方の金額は一致する。貸借一致の原則
      4. 仕訳帳を作成する
      5. 総勘定元帳を作成する
      6. 財務諸表を作成する。

  2. 仕訳・勘定
    1. 仕訳

      仕訳:取引を借方と貸方の2つに分けてその勘定科目と金額を決定する。
      仕訳のルール
      借方 貸方
      ・資産の増加
      ・負債の減少
      ・資本の減少
      ・収益の減少
      ・費用の増加
      ・資産の減少
      ・負債の増加
      ・資本の増加
      ・収益の増加
      ・費用の減少


      収益・費用の減少は、売上・費用が減ったのではなく、売上・費用が取り消された場合に発生する。
      利益は差額で算出するため、仕訳には乗らない。

      借方項目の資産・費用が増加するときは借方に、減少するときは貸方になる。
      逆に貸方項目の負債・資本・収益が増加するときは貸方に、減少するときは借方になる。


      1つの取引について、必ず借方と貸方に記入される。

      仕訳の流れ
      例:4/15に土地1,000千円を現金で購入した。
      土地1,000千円を現金で購入
      借方 貸方
      ・資産の増加
      ↓
      ・借方記入
      ↓
      ・土地の増加(土地勘定)
      ・資産の減少
      ↓
      ・貸方記入
      ↓
      ・現金の減少(現金勘定)
      4/15  (借方)土地  1,000    (貸方)現金  1,000

    2. 勘定

      勘定:仕訳の内容を記録する場所。
        ⇒仕訳の内容を勘定に記入することを転記と呼ぶ
      1. 勘定科目

        簿記の5要素は、さらにその内容や性質を表す名称を付される。(勘定科目)
        勘定グループ 勘定科目
        資産 現金、貸付金など
        負債 借入金、買掛金など
        資本 資本金、繰越純利益剰余金など
        収益 売上、受取利息など
        費用 給料、支払利息など

      2. 総勘定元帳と勘定口座

        簿記上の取引により、ある勘定科目が増減した場合、その勘定科目が付された勘定口座に当該勘定科目の増減を記録する。(T勘定を記録)
        すべての勘定は総勘定元帳と呼ばれる帳簿にまとめられる。
    3. 転記

      取引に係る仕訳を行ったときに、その仕訳の内容を総勘定元帳にある各勘定口座に記載すること。
      仕訳の借方に記入された勘定科目は、当該勘定科目が付された勘定科目の借方に転記され、
      仕訳の貸方に記入された勘定科目は、当該勘定科目が付された勘定科目の貸方に転記される。

      転記(勘定記入)は仕訳の内容にしたがって行われるので、勘定記入のルールは以下のようにまとめることができる。
      • 借方に属する勘定科目が増加した場合・・・勘定の借方に記入
      • 借方に属する勘定科目が減少した場合・・・勘定の貸方に記入
      • 貸方に属する勘定科目が増加した場合・・・勘定の貸方に記入
      • 貸方に属する勘定科目が減少した場合・・・勘定の借方に記入

2011年11月8日火曜日

財務・会計(企業会計・簿記)

今日勉強した内容。一応簿記3級も持っているから知っていることばかりだけど、
復習の習慣づけに整理する。
  1. 企業会計の目的

    様々な利害関係者(ステークホルダー)に会計結果を報告する
    財務諸表の作成を義務付けることで、投資家や債権者から調達した資金の管理・維持・運用状態にかかる説明責任(アカウンタビリティを課している)

    • 財務会計目的
      株式等の購入や融資の可否と言った意思決定に役立つ情報を提供する
      対象者:投資家、債権者など
    • 管理会計目的
      会社の事業展開などに関する意思決定に役立つ情報を提供する。
      対象者:経営者など

  2. 財務諸表とは

    会計報告は企業の存続期間のうち、区切られた一定の期間(会計期間)の状況を元に行われる。
    財務諸表とは
    ①会計期間末に企業の財産の状況・財政状態を測定する(貸借対照表)
    ②会計期間にわたる利益や損失を計算する(損益計算書)

    その他の財務諸表
    キャッシュフロー計算書
    株主資本等変動計算書   etc

    期初:会計期間の最初の日
    期末(決算日):会計期間の最後の日

    なお、前期というのは、昨年度という意味ではなく、当期よりも前の年度すべてを網羅。
    また、翌期というのは、来年度というのではなく、当期よりも後の年度すべてを網羅。

  3. 簿記の5要素

    (1)資産
    企業が経営活動を行うのに必要な財貨や権利
    例:現金、土地、商品、貸付金、売掛金など

    (2)負債
    企業が将来、他人に一定の財産を提供しなければならない義務(債務)
    例:借入金、買掛金など

    (3)純資産
    株主からの出資額や企業自身が稼ぎ出した自己資金、資産から負債を控除した正味の資産
    例:資本金(株主からの出資額)、繰越利益剰余金など

    (4)収益
    企業活動によって得られた成果
    例:売上高

    (5)費用
    収益を獲得するために費やされた努力・犠牲
    例:給料、広告宣伝費、売上原価など

    上記のうち(1)~(3)は財政状態を表し、貸借対照表に、
    (4)、(5)は経営成績を表し、損益計算書に記載される。

  4. 貸借対照表と損益計算書

    • 貸借対照表(B/S バランスシート Balance Sheet)
      会社の決算日における財政状態を表す。

      資産
      会社の保有する財産。
      換金すれば負債の返済に充てられる。
      負債
      会社が負っている借金
      (銀行などからの借入)
      純資産
      負債を全額返済した場合に会社に残る正味の財産
      株主からの資金提供+利益の積立

      借方:資金の運用状況、調達した資金を何に使ったか
      貸方:資金の調達状況、誰からお金を調達したか

      純資産(資本)の多少によって、財政状態の良し悪しを判断する。


    • 損益計算書(P/L Profit and Loss Statement)
      会社の会計期間における経営成績

      費用
      収益獲得に費やした努力
      収益
      当期に獲得した成果
      利益
      正味の儲け

      どれだけ設けたか、1年間の利益の大きさで判断する。


  5. 簿記の5要素と貸借対照表・損益計算書の関係

    資産=負債+純資産(資本)・・・貸借対照表等式
    資産-負債=純資産(資本)・・・資本等式


    収益-費用=利益(当期純損益)・・・損益計算書等式

    利益の計算方法
    (1)財産法
    会社の経営活動によって、資産・負債の増減が生じ、その結果として純資産も増減する。このため、機種純資産と期末純資産の差額を求めることによって、当期純損益を算出することができる。
    期末純資産-期首純資産=当期純損益
    (2)損益法
    期間収益-期間費用=当期純損益
    財産法による利益=損益法による利益となる。

2011年11月6日日曜日

財務会計基礎の基礎(3)

財務諸表と経営分析

  1. 経営分析
    • 企業の収益性
    • 効率性
    • 安全性
    財務諸表から上記の内容を分析する。
    総資本対経常利益率=(経常利益/総資本)=(経常利益/売上高)×(売上高/総資本)

    総資本利益率=売上高経常利益率×総資本回転率
    売上高対経常利益率=経常利益÷売上高
    総資本回転率=売上高÷総資本

    回転率とは企業の効率性を示す。売上高を分子に持ってきて計算する。
    売上高対○○は企業の狭義の収益性を示す。

    以下のように総資本経常利益率から分解して分析していく
    総資本経常利益率(総合的な収益率を示す)
        売上高対経常利益率(狭義の収益性)
            売上高対総利益率
            売上高対営業利益率
            売上高対販管費比率

        総資本回転率(効率性)
            売上債権回転率
            棚卸資産回転率
            固定資産回転率

    デュポン式では、4つの値を入力して比較を行う。


    先期 今期
    総資本利益率



    左右で期間比較
    上下で企業間比較

    売上総利益(粗利)=売上高-売上原価
    営業利益=売上総利益-販売費・一般管理費(人件費、広告費、販売促進費、賃借料)
    経常利益=営業利益-営業外費用(利息など)

  1. 意思決定
  2. 短期の意思決定:1年程度で結果が出る案件(例:コストコントロール)
    長期の意思決定:5年から10年で結果が出る案件(例:設備投資)

    短期の意思決定
    コストは2つ
    • 変動費(売上高の増減に応じて総額費用。材料費、売上原価、出来高払賃金など)
    • 固定費(売上高の増減に関わらず、総額では変化しない。職員の給料、固定資産税、減価償却費、賃借料など)

    直接○○費:直接的に結びつくコスト。製造を止めればかからないコスト。
    ○○間接費:他の製品の製造にも関連するコスト。

    変動間接費はある製品の製造を止めればなくすることもできる。
    固定間接費はある製品の製造を止めても必ず発生する。

    売上高-変動費=限界利益
    コストを変動費・固定費に分解して考える。
    直接費・間接費や固定費・変動費に分けて考える。

    長期の意思決定

    調達コスト:100万円+10万円(利息)
    キャッシュイン 4年間で30万円ずつ。
    毎年30万円を生むための時間価値を考慮に入れた計算

    貨幣の時間価値を考慮に入れる。
    例:銀行利息
    運用益がプラスされて100万円以上になる。

    1年後に30万円得るためにいくら必要になるのか?
    割引計算する(将来の金額を今の金額に戻す)
    30万円÷1.1+30万円÷1.1の2乗+30万円÷1.1の3乗+30万円÷1.1の4乗


    将来価値=現在の金額の運用益を加えた価値のこと。
    現在価値=将来得られる金額を割り引いた今の価値


  3. 企業価値
  4. 合併や買収は、公認会計士や税理士が中心になるが、
    診断士として、妥当な金額を算出できないといけない。
    企業価値の算定方法
    当期利益
    キャッシュフロー
    など

2011年10月29日土曜日

財務・会計(2)(中小企業診断士の財務諸表の見方)

(1)中小企業診断士が主に見るポイント
・利益
・キャッシュ


(2)ストックとフローの概念
・ストック:ある時点の企業の財産の状況や状態のこと(B/Sで表される)
・フロー:ある一定期間において企業が稼いだ利益やキャッシュのこと(P/Lで表される)


(3)利益の状況の見方
・P/L:当期利益 ⇒ 一会計期間に得られた利益(フロー)
・B/S:繰越利益剰余金 ⇒ 創業からB/Sの日付の日までにその会社が稼いだ利益(ストック)

P/Lの損益計算書=B/S本年の繰越利益剰余金-B/S前年の繰越利益剰余金


(4)キャッシュの状況
キャッシュはB/Sの「現金等」の欄に表示される。
当座預金や換金性が高くて、リスクの小さい短期投資も含まれる。

P/Lにはキャッシュの記載はない。P/Lは利益を示す表だから。
キャッシュを示すのは、キャッシュフロー計算書。

B/Sは一会計期間でどれだけキャッシュを稼いだかを直接表していない。
そこで2期分のB/Sを用意し、「現金等」の差額を計算することにより、
キャッシュをいくら稼いだかを知る。

(5)利益とキャッシュ
利益:販売から得られた収益
キャッシュ:現金として回収できた金額

売り上げはあるが、売り上げ収入(現金の回収)が遅れて発生する。
仕入れや人件費、諸経費の支払が先行する。
利益はあるが、キャッシュは入ってこない、ということよくある。
この状態が続くと黒字倒産ということになる。
資金繰りが間に合わず、倒産してしまう

(6)キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書の種類は以下の3つ。
(1)営業活動によるキャッシュフロー
(2)投資活動によるキャッシュフロー
(3)財務活動によるキャッシュフロー

たとえば、売上げが増えて受取手形・売掛金が大きく増えているが、
支払手形・買掛金の金額が伸びていないという場合。
仕入れの分を先に支払っているが、売上げの現金回収が進んでいないことにより、
営業活動のキャッシュフローがマイナスになっている。

主な対策
・入金や支払い条件を変えるように取引先に交渉する
・取扱品目の見直しを図る(収支ズレの原因となっている商品の取扱をやめる)

などの対策が挙げられる

2011年10月18日火曜日

財務・会計の基本(1)

財務・会計の基本
  1. 財務・会計の分類

    財務・会計──ファイナンス
           │
           └企業会計(アカウンティング)──外部報告会計(財務会計)
                              │
                              └内部報告会計(管理会計)

  2. 企業会計(アカウンティング)

    • 外部報告会計

      ・一般投資家などに公表する財務諸表を作成するための会計
      ・簿記や原価計算などを学習
      ・他社との比較を容易にするため、また外部(投資家・金融機関)に
        正しい情報を伝えるため、一定のルールの下で数値を処理する。

      例:貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書

      学習のポイント
      ・簿記は慣れろ
      日々の大量の取引を処理するために、
      機械的に処理できるようになるまで訓練する。

    • 内部報告会計

      ・経営者などに報告するための会計(経営に直結する会計)
      ・外部報告会計で作成した財務諸表を用いるで分析する。
      ・比率分析などを学習

      学習のポイント
      ・管理会計は結果の暗記だけではなく、結果の内容を理解する。
        経営者に報告するための会計なので、導出された結果になった
        理由をしっかり説明できなければならない。


  3. ファイナンス
    学習のポイント
    ・ファイナンスも、管理会計同様、結果の暗記だけではなく、結果の内容を理解する。

  4. 会計を取り巻くルール
    • 昔からあるもの
      • 企業会計原則
        古くから存在し、すべての企業が従わなければならない。
        (企業の大小は関係ない)
    • 新たに加わってきているもの
      • 国際会計基準など(時代に合わせてルールを刷新)
         
      ※上記のルールには罰則規定がない


    • 上記のルールをベースに法律がある。
      • 会社法             ⇒株主総会に提出
      • 金融商品取引法⇒証券取引所に提出
      •  (法人)税法      ⇒税務署に提出

中小企業診断士に求められるのは、厳密な数値も必要であるが、仕組みを理解して素早く判断することも必要。